[チューリヒ 25日 ロイター] - スイスの金融大手UBSが発表した第3・四半期決算は、予想より小幅な減益にとどまった。新規資金流入の拡大と経費削減で市場混乱の影響を克服した。

純利益は24%減の17億3000万ドル。UBSがまとめたアナリスト17人の予想(15億3000万ドル)を上回った。

インフレ、エネルギー価格高騰および地政学的緊張を巡る懸念にもかかわらず、新規資金の流入は好調。ウェルスマネジメントで170億ドル、アセットマネジメントで180億ドルの新規資金を獲得した。

収入は82億ドル。前年同期から10%減少した。

金融市場の混乱で特に打撃を受けたのは投資銀行部門で、収入は58%減少。しかしトレーディング部門は市場乱高下を受けたデリバティブ取引の活発化が支えとなり1%の減収にとどまった。

UBSは今年55億ドル前後の自社株買いを目指すと表明した。すでに9月に10%の増配計画と22年の自社株買い目標の50億ドルを超えるとの見通しを示していた。

ラルフ・ハマーズ最高経営責任者(CEO)は「魅力的かつ持続可能な資本リターンを株主に提供することに引き続き自信を持っている」と述べた。