2022/10/21

「東京に正解はない?」ローカルスタートアップの勝ち筋とは

 10/13から週2回配信がスタートした音声番組「地域経済のリアルがわかるRe:gion Radio」

 地域の課題と未来に向き合うRe:gionピッカーを毎回ゲストに迎えながら、地域経済の最先端を学ぶ、次世代リーダーのための番組です。

 1人目のゲストは宮崎県・新富町で地域商社と農業ロボットベンチャーの2社を経営する齋藤潤一氏。シリコンバレー帰りの経営者が、なぜ地域での事業創出にフルコミットするのか? 本記事では、本編の一部をダイジェストでお届けします。
INDEX
  • 「期待値とのギャップ」を価値に変える(前編)
  • ローカルスタートアップの勝ち筋は「課題ドリブン」(後編)

「期待値とのギャップ」を価値に変える(前編)

地域商社「こゆ財団」は、宮崎・新富町の農家さんと組んで「一粒1000円のライチ」のブランディングで成功しましたよね。地域商材の値付けや付加価値の付け方などで、必勝法的なものってあるんですか?
齋藤 まさにマーケティングの話になるんですけど、ただ良い物を作るとか、ただ高単価にすればいいという話では当然なくて、大事なのは期待値とのギャップなんですよ。
▼前編はこちらから視聴できます▼
 同じ農産物でいうと、例えばバナナって基本的に美味しい。無銘の品でも、ブランド品でも、まずいバナナってあんまりない。そこに期待値とのギャップの差分が少ない商品は、今の時代にあまり注目されないんですよね。
 わざわざ「食べてみたい、買ってみたい」と思ってもらうには、食味だけじゃなくて、たとえば希少性とか、時期の限定性とか、さまざまな方法があると思うんですけど。
 この期待値とのギャップがないと、人は体験に対してお金を払おうと思わない。これはすごく大事にしているポイントですね。

ローカルスタートアップの勝ち筋は「課題ドリブン」(後編)

東京をはじめとした大都市圏と比べて、地域で起業することの有利性、勝ち筋ってどこにあるのでしょうか?
齋藤 スタートアップに限らず、地域でビジネスをする上で絶対的に重要なのは「課題ドリブン」という言葉ですね。
 課題から始めて、課題に立ち戻ることが、ものすごい重要で。新富町でAGRISTという農業ロボットベンチャーをやっていますが、我々にとっては地域の農家の方々との勉強会がすごく大きくて。
 彼らと接するなかで、「このままでは農業を次の世代に引き渡せない」という課題がわかって、じゃあ何が必要なんだ? というなかで自動収穫ロボットの開発をはじめたり、「100年先も続く農業を実現する」というビジョンを掲げることになったり、すべて当事者たちの課題を理解することから始まっています。
▼後編はこちらから視聴できます▼
 地域にはペインがたくさんあって、そこからスタートするからビジネスが成り立つし、東京にはないものが作れるんじゃないかと思います。
木下 都会でできることを地域でやっても意味がないですよね。IT系のサービス作ることは地域でも可能ですが、例えば一次産業の課題解決を東京でやることは非常に難しい。それを活かすべきです。
 宇宙系のスタートアップなんかも同じで、東京で宇宙工学を勉強しても、実際にロボットを飛ばすなら地域が有利で、得られる情報も多いわけですよ。都会でできなくて、地域でできることは圧倒的に多く存在している。
 唯一の問題が、供給力不足なんですよね。課題はあるんだけど、それを解決するサービスを供給する人たちが圧倒的に少ない。結果として、ビジネスを生み出す「余地」が放置されてしまっているケースがたくさんあると。
 そこを狙っていくところが、いわゆるローカルにおけるスタートアップの特徴でもあり、その地域でやるからこその強みが活きてくるわけですね。
(※この続きはぜひ本編でお楽しみください)
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