[5日 ロイター] - 安倍晋三首相は5日午後、三重県伊勢市の伊勢神宮で年頭の記者会見を行い、今年も経済最優先で取り組むとし、今月末に召集する通常国会を「改革断行国会」と位置づけて改革を進めていく考えを示した。

安倍首相は「日本経済を必ず再生する。そのためにはこれまでにない大胆な改革を進めていかなければならない。東日本大震災からの復興、教育再生、社会保障改革、外交安全保障の建て直し、地方創生、女性の輝く社会実現など、いずれも戦後以来の大改革だ。今年はあらゆる改革を大きく前進させる1年にしたい」と語った。

さらに「私たちがまいたアベノミクスという種はこの2年で大きな木へと成長し、実りの季節を迎えようとしているが、まだ成長途上だ」と指摘。「昨年末に取りまとめた経済対策を早期に実行に移し、(国民の)多様な声にきめ細かく対応することで、アベノミクスをさらに実りあふれる大木へと成長させていかなければならない」と述べた。特に、地方創生に関しては「国家戦略特区に地方創生特区を指定する。今春にも数カ所指定していきたい」と語った。

一方、「国民の命と幸せな暮らしは断固として守り抜いていく。そのための新たな安全保障法制を整備していく」と述べ、通常国会で安保法制の整備を進めていく考えも示した。

内閣の歴史認識については「安倍内閣として村山談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいく」としたうえで、戦後70年の首相談話について「次の80年、90年、100年に向け、積極的平和主義の旗の下で世界の平和と安定に一層貢献する明確な意思を世界に発信したい」と強調。「安倍政権として先の大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、アジア太平洋地域や世界にどのような貢献を果たすか、世界に発信できるものを英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく」と語った。

(石田仁志)