2022/10/17

【ピンカー】知識人ほど陥る「進歩恐怖症」から抜け出そう

NewsPicks / JobPicks 編集部
いきなり恐縮だが、次の問いについて、あなたなりの答えを考えてみてほしい。
【Q1】日本人の暮らしは、今より昔のほうがよかったと思うか?
【Q2】地球温暖化は、もう解決できないと思うか?
【Q3】SNSの普及と発展は、世の中を悪くしたと思うか?
これらすべてにYESと答えた人は、もしかすると「進歩恐怖症」に陥っているかもしれない。
進歩恐怖症という言葉を生み出したハーバード大学のスティーブン・ピンカー教授は、過去の著作を通じて「高い教養を持つ知識人ほど、実は進歩を恐れている」と伝え続けてきた。
なぜ、教養人ほど進歩を恐れるのか。この恐怖症から脱する策は、長らく日本を覆う停滞感を払拭するヒントになるのか。
10月24日〜25日、「変化は希望だ」をテーマに開催するビジネスフェスCHANGE to HOPE 2022の基調講演で、ピンカーが緊急来日する(登壇は24日10:30〜)。
本記事のコメント欄で📌ピンカー本人への質問を募集しているので、その前に、ピンカーが示す「人類の進歩に必要なこと」を学んでおこう。
INDEX
  • ビル・ゲイツが心酔する知恵
  • 進歩恐怖症の裏に潜むバイアス
  • 将来をなげく前に「数えよ」
  • 身近な事例で考える対処法
  • 10/24ピンカー来日講演の詳細
※編集部追記:2022年10月22日18:00

10月24日(月)に登壇予定だったスティーブン・ピンカー氏が、新型コロナウイルス感染のため来日できなくなり、急遽オンライン登壇に変更いたします。

ご本人の体調に問題がないことを踏まえ、実施時間・セッション内容に変更はございません。ご本人も「コロナ対策は世界が等しく直面していることであり、だからこそ皆さまが希望を見つけることができる講演をお届けしたい」とおっしゃっております。

直前の変更をお詫び申し上げますとともに、変わらず〈CHANGE to HOPE 2022〉をお楽しみいただけたら幸いです(詳細はイベントサイトにて)。

ビル・ゲイツが心酔する知恵

本題に入る前に、「進化心理学」というジャンルを世界に広めたピンカーとは何者なのかを説明しておきたい。
認知科学および実験心理学の権威であるピンカーは、視覚認知、心理言語学、人間関係など幅広い分野の研究で知られている。
一般人にも注目されるようになったきっかけとしては、2018年、あのビル・ゲイツがピンカーの著作をMy new favorite book of all time(私の人生で最高の一冊)と称したのが大きい。
日本では2015年に出版された、『暴力の人類史』だ。