2022/10/14

【斎藤環】なぜ、発達障害が「バブル化」しているのか?

NewsPicks編集部
今から10年前、文部科学省が衝撃的な調査報告を公表した。
全国の小中学校で調査を実施したところ、発達障害の可能性がある児童の比率が6.5%だったというもの。あまりの数字の大きさに、精神科医たちは混乱したという。
というのも、それまでの経験と比較して、あまりに高すぎる数値だったからだ。
その後、6.5%という数字が独り歩きし、社会全体で発達障害がトレンド化していく。そして現在の、実態と合わない診断が増える「バブル化」に至っている。
なぜ、発達障害と診断される人は急増したのか。6.5%という数字は正しいのか。そして、バブル化する背景に、どのような社会問題が眠っているのか。
精神科医で著作も多い、斎藤環氏の論考をお届けする。
INDEX
  • 空前の「発達障害バブル」
  • 「6.5%が発達障害」を信じるな
  • 「わかりやすさ」にご用心
  • 「発達障害バブル」の注意点
  • 「コミュ力至上主義」の弊害
  • 正しい知識を身につけよう

空前の「発達障害バブル」