[チューリヒ 7日 ロイター] - スイスの金融大手クレディ・スイスは7日、最大30億スイスフラン(30億3000万ドル)のシニア債を買い戻すと発表した。債務負担を軽減し市場の信頼を回復する狙いがある。

同行は声明で「今回の取引は、債務全体の構成の管理と利払いの最適化に向けた当行の積極的なアプローチに沿ったものであり、市場の状況を利用して魅力的な価格で債券を買い戻すことが可能になる」と表明した。

ユーロ建て、ポンド建てのシニア債8本、最大で総額10億ユーロを現金で公開買い付けするほか、ドル建てのシニア債12本、最大20億ドルを現金で公開買い付けする。

買い付け期間はそれぞれ11月3日、11月10日に終了する。公開買い付け文書に記載した条件が適用される。

ボントベルのアナリスト、アンドレアス・ベンディッティ氏は「一部の投資家にとって安心材料となるような市場環境を利用する日和見的な動き」と述べ「額面より安く買えば、資本金が少し増えることになる」と指摘した。

スイス国立銀行(中央銀行)は今週、異例の措置として、クレディ・スイスの状況を監視していると発表した。

チューリッヒ州立銀行のアナリストはクレディ・スイスの債券について、非常に割安価水準で取引されているため、同行は低コストで負債を削減することができると指摘。また「クレディ・スイスが十分な流動性を有しているというシグナル」でもあるとの見方を示した。