[ワシントン 5日 ロイター] - 企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が5日発表した全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は9月に20万8000人増加した。米連邦準備理事会(FRB)の政策金利引き上げや金融引き締めにもかかわらず、労働者需要が引き続き力強いことを示唆した。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は20万人増だった。

8月は18万5000人と、前回発表の13万2000人から上方改定された。

9月の雇用増は全てサービスセクターのもので、計23万7000人増となった。貿易・運輸・公益事業で14万7000人増となったことがけん引した。専門職・ビジネスサービス業は5万7000人増となった。

一方、情報産業では1万9000人、金融業では1万6000人の雇用が減少した。製造業は1万3000人減だった。

ADPの全米雇用報告はデータ手法の見直しのため2カ月間休止し、前月に再開していた。米労働省の労働統計局(BLS)が発表する雇用統計での民間雇用者数を予測する上で信頼性が高くなかったことが背景にある。

スタンフォード・デジタル・エコノミー・ラボと共同で取りまとめるようになったADP報告が有用な指標になるかどうかはまだ不透明だ。

ADP報告は、より包括的で注目されているBLSの9月の雇用統計公表に先立ち発表された。

ロイターのまとめたエコノミスト予想によると、9月の雇用統計で民間雇用者数は前月より27万人増える見通し。8月は30万8000人増えていた。

9月は政府部門が2万人減る予想のため非農業部門全体の雇用者数は25万人増となり、増加幅は8月の31万5000人を下回る見通しだ。

ハイフリークエンシー・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ルベーラ・ファルーキ氏は「労働市場における需要と供給のアンバランスは続いているが、今のところ雇用の伸びはプラスを維持するとみている」と述べた。