[ロンドン 5日 ロイター] - 国際送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)は中央銀行デジタル通貨(CBDC)の国際ネットワークの青写真を示した。

SWIFTはさまざまな技術や通貨による運用試験を8カ月にわたり実施。試験にはフランスとドイツの中央銀行、HSBC、スタンダード・チャータード、UBSなどの主要金融機関が参加し、CBDCをどのように国際的に使用するかや、必要に応じて不換通貨に交換可能かを検証した。来年にかけて、さらに踏み込んだ試験を実施する予定。

SWIFTのイノベーション部門責任者ニック・ケリガン氏によると、試験は中央銀行と商業銀行計14機関が、自転車の車輪のようにメインハブにスポーク状に接続して行われた。この構造だと、ネットワークに新たに参加する金融機関はハブに接続すればよく、他の参加機関と個別に接続する必要はない。

ケリガン氏は「必要な接続数ははるかに少なくなくなると考えている。このため(チェーンの)切れ目が少なくなり、より高い効率性を達成できるとみられる」と述べた。

分散型台帳技術(ブロックチェーン)と呼ばれるCBDCのさまざまな基盤技術の試験も実施した。多様な技術の使用は、世界的な急速な普及の潜在的障害とされている。

これとは別に、株式や債券などの伝統的アセットをデジタル・トークンに変換し、リアルタイムで発行・取引できるようにする「トークン化」資産に関する試験も実施。シティや清算機関クリアストリーム、ノーザン・トラストが参加した。

CBDCは、バハマやナイジェリアなどがすでに導入。中国もデジタル人民元計画を推進する。

国際決済銀行(BIS)も越境運用の実証実験を実施している。SWIFTは200以上の国・地域をネットワークで結び、1万1500超の銀行やファンドが接続している。