FRBの意外な「ソフトランディング」成功実績
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世界の中央銀行は、今年6月までで延べ80回の政策金利の引き上げをしているそうです(日本経済新聞調べ)。
ゼロ金利を継続する日本は、金利差が拡大して円安(円売り)が進行。政府・日銀は24年ぶりの為替介入に踏み切りました。
英国は、トラス新政権が打ち出した大型減税などの経済政策が財政悪化を招くと懸念され、ポンドが急落。中央銀行は長期国債を買い入れて金利急騰を抑えようとしています。
どの国も様々な課題を抱える中で金融政策を行っています。
今回の記事では、FRBの副議長を務めた著者が歴史を振り返り、FRBの金融政策を評価しています。
過去の金融政策を見てみると、当事者たちの決意が見えてきます。ただ、どんなに精緻に考えられた金融政策でも、自然災害や戦争など、予期せぬ事態でハードランディングになってしまうこともある。人々の生活に大きな影響を与えるからこそ、完璧でなくとも、最善の着地点を模索する。金融政策の歴史を通じて、中央銀行の責任感を感じます。インフレ退治のソフトランディングはむずかしい、ということがわかるレポートでした。今回のインフレは、ロシアのウクライナ侵攻という要因が大きい。金利引き上げ政策だけで解決される問題ではありません。
ゆえに、バイデン政権は惜しみなくウクライナ支援を行なっている。これはある意味、ハードランディングといえるかもしれません。現代版桃太郎(米国)は、英国やEU、日本という仲間と共に、鬼退治ができるかどうか。活躍を期待したいところです。一方で、10yー2yの長短金利差がマイナスになるとその後にほぼ確実に景気後退局面入りしていますし、40年ぶりのインフレですので、ソフトランディングはナローパスだと思います。