[ベルリン 29日 ロイター] - ドイツのショルツ首相は29日、2000億ユーロ(1940億ドル)の支援策を発表した。エネルギー価格高騰から企業や消費者を保護することが狙い。

欧州最大の経済大国であるドイツは、欧州へのロシア産ガス供給停止を背景にしたガスや電気料金の高騰への対応に取り組んでいる。

ショルツ氏は「料金を下げることが必要で、政府はできることは何でもする」と訴えた。

今回の計画は新規借り入れを財源とし、政府はガスと電気に緊急価格上限を導入する。価格の一段の上昇を避けるため、計画していた消費者へのガス課税は取りやめる。

南部の原子力発電所は年内に閉鎖予定だったが、2023年春まで稼働できるようになる。

リントナー財務相は29日、新規借り入れを救済策の財源とするとし、財政は安定していると言及。「われわれはエネルギー戦争に巻き込まれたとしか言いようがない」とし「危機時の支出は通常の予算管理から明確に切り離したい。資本市場に非常に明確なシグナルを送りたい」と述べた。また、この措置が高止まりするインフレに歯止めをかけることになるとした。

ドイツ政府は今年、財政赤字が国内総生産(GDP)の0.35%に達すると原則として政府の新規借り入れを禁止する仕組みを停止した。リントナー財務相は、来年にはこの基準を再び順守する意向を示した。