[ブリュッセル 26日 ロイター] - 欧州連合(EU)の一部加盟国グループは今週、EU全域でのガス価格上限設定に関する計画を策定するようEU欧州委員会に働き掛ける方針だ。欧州委のカドリ・シムソン委員(エネルギー担当)宛ての書簡の草稿で分かった。

EUは今月、エネルギー価格の高騰に対処するため、一連の緊急措置を提案。だが、ガス価格の上限設定については加盟27カ国の間で意見が分かれ、見送られた。

上限設定を支持する加盟国は、30日のEUのエネルギー首脳会合で、欧州委がこれを提案するよう圧力を強める考えだ。

書簡の草稿では、「欧州委の努力と危機対策案は認めている。しかし、最も深刻な問題である天然ガスの卸売価格について、我々はまだ取り組んでいない」と指摘。ガス価格の上限設定は、家計や企業に打撃を与える「耐え難いインフレ圧力」の抑制に寄与し、供給の安全確保策になり得ると主張している。

EU当局者によると、ベルギー、イタリア、ポーランド、マルタ、ギリシャを含む10カ国程度が書簡への署名を検討しているという。

一方、反対派の国々は、EUの提案が十分な支持を獲得できるか疑問を投げかけている。ドイツ、オランダ、デンマークは、価格に上限を課すと、EUが今冬のガス供給を確保する能力が損なわれ、供給の安全性が脅かされる恐れがあると懸念を示している。