[ベルリン/ヘルシンキ 21日 ロイター] - ドイツ政府はガス輸入会社ウニパーの国有化に合意した。親会社のフォータムから株式を取得し、事業を継続する。

ウニパー、ドイツ経済省、フォータムが21日発表した。

合意の一環で80億ユーロ(79億4000万ドル)の増資を行う。増資はドイツ政府が単独で引き受ける。フォータムからの株式取得と増資の完了後、政府の出資比率は99%前後となる。

フォータム保有株の取得価格は1株当たり1.70ユーロ。ウニパーの株価は一時39%安の2.55ユーロ。

一方、フォータム株価は一時約20%高となったが、その後は約10%高まで上げ幅を縮小している。

経済省は、国有化により「保有構造が明確になり、企業・地方公益事業体・消費者へのエネルギー供給を確実にできる」としている。

ウニパーは国内最大のガス輸入会社。ロシアが天然ガスの供給を削減したことを受けて経営が悪化しており、7月に政府と救済策で合意していた。

ハーベック独経済相は記者団に、企業を市場で安定させるために可能な限りのことをすると述べた。

ウニパーを巡る合意に基づき、フォータムはウニパーから40億ユーロの融資返済を受け、同社に対する40億ドルの融資保証も終了する。

経済相は今回の合意により、フォータムは株式投資の全てを失うと指摘した。

今回の増資引き受けにより、政府によるウニパー救済資金は290億ユーロ(287億ドル)に上る。ドイツ電力会社EnBW傘下のVNGおよびロシア国営ガスプロムの元ドイツ子会社Sefeを含む3社に投じられた資金は少なくとも400億ユーロとなる。