[ロンドン 20日 ロイター] - 英銀行大手バークレイズのベンカタクリシュナン最高経営責任者(CEO)は20日、投資銀行の収益構造が来年、変化するとの見方を示した。トレーディング収入が減少する一方、投資銀行業務と助言業務の手数料収入回復がその影響を軽減する見込みという。投資家向けのイベントで述べた。

市場取引の急増は投資銀行が今年、堅調な業績を上げる原動力となり、新規株式公開(IPO)や合併・買収(M&A)案件減少の影響相殺に寄与した。

しかし同CEOは、来年後半にはこの状況が一変する可能性があると指摘。「トレーディング収益はやや縮小する一方、投資銀行業務の収益は拡大するだろう。その差し引きがどうなるかは分からない」と述べた。

その上で、来年第1─第2・四半期は市場の変動が続くと予想。トレーディング収益(季節調整済み)の減少は来年後半に起こる可能性が高いとの見通しを示した。

また、同行の本拠地である英国について、イングランド銀行(中央銀行)による一連の利上げが最終的に景気を冷ますと指摘。その上で、バークレイズにとっては貸し付けによる収入が増えるため、金利上昇は「差し引きプラス」の効果があるとの見解を示した。

銀行の収益性を測る重要指標である有形株主資本利益率(ROTE)が来年、主要3事業部門全てで10%を超えると予想した。

また、エネルギー価格に上限を設定する英政府の計画が国内経済を支援するとした上で、米経済について、より楽観的な見方を示し「米経済には弱さを示す兆候がそれほどない」と語った。