2022/9/18

【29歳起業家】なぜ若者は雑貨コミュニティに熱狂するのか

SNSの総フォロワー数が100万人を超え、異様な熱狂ぶりの「雑貨コミュニティ」がある。
それが、2018年に立ち上がった、一人暮らしの小さい部屋を彩るキュレーションメディア「make my room(メイクマイルーム)」と、2019年開始の韓国雑貨のECサイト「Little Rooms(リトルルームス)」だ。
これらを立ち上げたのは20代の若き起業家、「and」CEOの平貴衣氏だ。
平氏こそが、「韓国雑貨」にいち早く目をつけ、日本に持ち込んだのだ。
暮らしを彩る「ファストインテリア」に、若者が殺到し、日本でも様々なブランドがしのぎを削る中、韓国雑貨は異彩を放っている。
というのも、斬新でかわいく、温かみのあるデザインが特徴で、特に20〜30代の女性から圧倒的な支持を集めているからだ。
NewsPicksは、平氏を直撃し、なぜ韓国雑貨が日本の若者に刺さっているのか、そして、SNS時代にコミュニティの熱狂をどう作り出しているのか、すべてを語ってもらった。
INDEX
  • キーワードは「小確幸」
  • 韓国雑貨の「火付け役」
  • 顧客の声から生まれた大ヒット
  • 秘密の「鍵」アカウント

キーワードは「小確幸」

──まず、一人暮らしの小さい部屋に特化したキュレーションメディアを始めた経緯を教えてください。
私はもともと、仕事が好きだったので、ハードに働いて生きてきました。
でも、その反面プライベートが後回しになり、家はぐちゃぐちゃに荒れていました。
仕事が終わると、汚い家に、寝るためだけに帰る。そして土日は、平日に荒らした家を掃除するだけ。
当時はがむしゃらでしたが、振り返れば、心も乱れて自己肯定感が下がっていました。