[ニューヨーク 14日 ロイター] - 米国株式市場は上昇して取引を終えた。ほぼ予想通りとなった卸売物価指数(PPI)を受け、前日の売りの流れに歯止めがかかった。

主要株価3指数はほぼ終始、方向感を欠く展開となったが、最終的にプラス圏で終了した。ただ、前日に記録した2年以上ぶりの大幅な下落分を取り戻すには至らなかった。

カーソン・グループのチーフ市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「前日の大きな打撃を受け、今日は傷を癒す日となった」と指摘。「今日は休息日であり、歓迎すべき兆候だ」と述べた。

この日発表された8月のPPIは前年同月比8.7%上昇と、予想の8.8%上昇を下回り、伸びは7月の9.8%から鈍化。予想を上回った前日の消費者物価指数(CPI)を受けた高インフレ定着懸念が幾分和らいだ。

S&Pの主要11セクターでは6セクターが上昇。原油価格が供給懸念で上昇したことを背景にエネルギーが上げを主導した。

ダウ輸送株20種は、ストライキの可能性を背景に売られた鉄道株が重しとなり下落した。

鉄道運営会社ユニオン・パシフィックは3.7%、ノーフォーク・サザンは2.2%、CSXは1.0%それぞれ下落。

米政権は14日、鉄道会社と労働組合の労使交渉が膠着する中、貨物や食料・燃料の輸送などを妨げる恐れのあるスト回避に向けた取り組みを継続した。

スターバックスは5.5%上昇。13日に開いた投資家向けイベントで、今後3年間の1株当たり利益の伸び率が15─20%になるとの見通しを示した。

テスラは3.6%高と前日の下げから反発。バイデン大統領がこの日、電気自動車(EV)充電スタンドを設置する資金として9億ドルの拠出が承認されたと発表したことが背景。

ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.05対1の比率で上回った。ナスダックでは1.06対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は109億株。直近20営業日の平均は103億3000万株だった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 31135.09 +30.12 +0.10 31141.02 31276.82 30885.02

前営業日終値 31104.97

ナスダック総合 11719.68 +86.10 +0.74 11680.41 11746.83 11602.76

前営業日終値 11633.57

S&P総合500種 3946.01 +13.32 +0.34 3940.73 3961.94 3912.18

前営業日終値 3932.69

ダウ輸送株20種 13655.74 -56.60 -0.41

ダウ公共株15種 1041.56 +9.09 +0.88

フィラデルフィア半導体 2591.51 +29.24 +1.14

VIX指数 26.16 -1.11 -4.07

S&P一般消費財 1255.20 +16.06 +1.30

S&P素材 470.37 -5.84 -1.23

S&P工業 775.84 -1.43 -0.18

S&P主要消費財 745.11 -0.79 -0.11

S&P金融 551.08 -1.37 -0.25

S&P不動産 257.10 -3.62 -1.39

S&Pエネルギー 625.34 +17.32 +2.85

S&Pヘルスケア 1477.10 +0.10 +0.01

S&P通信サービス 178.99 +0.66 +0.37

S&P情報技術 2317.38 +10.11 +0.44

S&P公益事業 387.29 +3.10 +0.81

NYSE出来高 10.46億株

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 27755 + 105 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 27720 + 70 大阪比