[ロンドン 13日 ロイター] - ロシア大統領府のペスコフ報道官は13日、ウクライナ軍が同国北東部ハリコフ地方のほぼ全域をロシアから奪還したのを受け、ウクライナに予備兵を動員するかどうかについて「現時点ではない、その議論はしていない」と語った。

7カ月近くに及ぶウクライナとの戦闘でロシアは最悪の敗北の一つを喫し、ウクライナでの兵力強化のため全国から兵士を動員するように求める圧力が高まっている。

ロシアのメディアは12日、政権与党の統一ロシアのシェレメト下院議員が勝利には「総動員」が必要と言及したことを報じた。

野党の共産党のジュガーノフ委員長は13日、党ウェブサイトで発表した声明で、欧米と北大西洋条約機構(NATO)に対する「戦争」と呼ぶものに勝利するには「何よりもわれわれの力と資源を最大限に動員することが必要だ」と記した。

ペスコフ氏は、動員を求める民族主義的な論客による軍指導部への批判は「多元主義」の一つの例であり、ロシア人は全体としてプーチン大統領を支持し続けていると主張した。

プーチン氏はこれまでのところ、過去5年間に兵役に就いた約200万人のロシアの予備兵を動員していない。動員した場合、限定的な軍事作戦と称してきたのが実際には全面戦争であることを認めることになる。