専門家によると、トルコでシリア難民に対するヘイトクライムが増加している

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• 福嶋 剛

  フォトグラファー / メディアリサーチャー

  ・2022年09月07日

  トルコ国内のシリア人難民が選挙を前に政治利用されている側面は否定できないし、国内の経済状況が悪化すれば真っ先に矛先を向けられるのが在住外国人、というのはトリコに限った話でもないが、イスタンブルでのシリア人難民たちのなりふり構わない物乞い行為を目の当たりにしては、彼らへの嫌悪感が増すのは当然だろう。
  　2019年に訪れたイスタンブルで、通りを歩けば数分おきにそういった物乞いに絡まれて非常に嫌な思いをした。2022年に再訪した際には彼らの姿は全く見当たず。前年に「国境付近で登録をしている難民は登録した場所で戻る」ように指示が出されたが、それが功を奏したのだろう。
  　難民の扱いが政治利用されることは避けられない。だからといって見過ごしても良いわけではない。しかし同時に「異質な余所者」を受け入れることは、決して人道的側面だけでは済まないことを改めて考えさせられる。