［ロンドン ３０日 ロイター］ - 世界保健機関（ＷＨＯ）当局者らは３０日、サル痘感染者が一部諸国で減少していることを示す根拠が見られるとして、欧州におけるサル痘流行は根絶可能との見方を示した。
フランスやドイツ、ポルトガル、スペイン、英国を含む欧州諸国と米国の一部では、ワクチン供給がほとんどないにもかかわらず週単位で感染減少が続いている。
ＷＨＯのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は、「われわれは（欧州）地域での人から人への感染の持続を根絶できると考えている。それには緊急に取り組みを強化する必要がある」と述べた。
デンマークのバイオ医薬品会社ババリアン・ノルディックのサル痘ワクチンは供給が限定的で配布に影響が出ており、当局は在庫の分配に努めている。このワクチンは天然痘予防でも承認されている。
ＷＨＯおよび欧州のサル痘問題担当者は記者会見で、ワクチンの供給不足に加え、配布と効果が出るまでの時間を考えると、減少の主要な要因は初期診断により患者の隔離が早まったことや、行動変容が考えられると述べた。
５月初め以降、サル痘が風土病でない９０カ国で４万７６００人以上の感染者が確認されている。ＷＨＯはサル痘について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言している。
