内閣府が38年ぶりに新たな経済指数公表 サービスや消費を重視
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新しい一致指数だと、過去の景気局面判断がかなり変わります。
例えば、2018年10月からの景気後退期でも新指数だと悪化しませんし、既存指数なら2014年4月からも景気後退と判定されてもおかしくありませんでしたが、新指数だとそんな悪化しません。永濱さんのご指摘の通り、2018年10月が景気の「山」かどうかという議論に結論を与える指標になっていると思います。公表のタイミングが遅いので、足元の景気変動を追うには使い物になりませんが、正確な景気判断をするには有益な指標だと思います。
第三次産業就業人口比率が72.3%(189か国中40位、ILO,2020年)の我が国ですが、サービス産業の動きは業種ごとに個別に捉えられている感じで、全体像を明らかにする統計の整備はさして進んでいないのが実情です。景気動向を見る指標には製造業に関係するものが多く含まれ、コロナ禍のようにサービス業の動きが人為的に止められて製造業の動きと異常に乖離するような状況だと、実感に合わないところも出て来ます。そういう意味で、サービスや消費を重視した経済データを設けるのは時宜にかなっているように思えます。
とはいえ就業者の多くが従事する飲食、娯楽、小売りといった時と場所の制約を受けるサービスが産み出す価値は時と場所を問わず内外で売れる価値を生みだす製造業等がどの程度元気であるかの影響を受け易く、後者が衰退して購買力が衰えたら、自ずと生み出す価値が落ちてしまいます。そしてまた、名目GDPは生産と分配と需要が理屈の上で一致しますから、消費が盛り上がって需要が増えればGDP(≒国内総生産)が増えて景気は良く見えますが、人々が買うモノが外国産の製品やサービスばかりなら “国内”の“総生産”は本質的に増えず、日本は中長期的に豊かになれません。サービスや消費を重視した指標を作るのは時宜にかなっているように思えるけれど、それをどう見るかは結構難しそう。「内閣府は新たな指数は参考値と位置づけ」とのことですが、先ずはその程度に捉えておくのが無難でしょう (・・;ウーン