米スタートアップ企業、資金調達前の価値評価が前期比16%減=調査
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valuation合意から発表までタイムラグが多少あることも踏まえると、2021年1-2Qから2022年1-2Qの米国上場市場の株価指数はざっくり横ばいなんです。2021年3-4Qがピークでその後下落という流れ。それでもなお未上場では16%下落している背景は何か。
上場株式の指数はapple to appleの比較、すなわち同じ銘柄群の比較ですが、スタートアップの評価額はその時資金調達をした企業というだけで対象となる企業群が異なります。
そこから読み取れる可能性は2種類あると思います。
1)2021年上期の未上場スタートアップへの資金投下およびバリュエーションが上場株以上に加熱していた可能性(※クロスオーバー資金が流れるなど過剰流動性のベータが大きい)
2)当時はレイトステージの資金調達が多くを占め、平均評価額が上がる傾向が顕著であったが、足元はレイトステージのスタートアップは調達を控えている(ダウンラウンドを避ける)、また実際に難しいという状況にあり、結果例とステージの資金調達が少なくなっている。
両方とも肌感としてはあってますが、全体的な傾向値からすると、後者の要因が効いているように思います。2022年4-6月の米国におけるベンチャー投資に関するデータが出てきました。
アーリーステージの評価額は2年以上ぶりに前四半期比で下落。一方、シードは取引数も規模も増加しており、好調を維持。
投資家は大手に投資手控えが見られたものの、中央値には見られない。
シードはまだ小さいしOK、アーリー~レイターはビジネスが成り立っていればOKだけど中団層が厳しい、ということでしょうか。記事にあるPre Money評価額が前四半期比-16%、中央値は5,200万ドルというのはアーリーステージ。シードのPre Money 中央値は前年比を33%上回る1,200万ドルとなんとか上半期は持ち堪えた感じです。ただ、この状況ではより厳選されていくので評価額や調達額が上昇していたとしても思うように調達が進まないスタートアップも多々あるのではないでしょうか。既存株主とコミュニケーションを取る必要がこれまで以上に重要になってきています。
PitchBookのレポートは以下(無料でDL可)
https://pitchbook.com/news/reports/q2-2022-us-vc-valuations-report