[ロンドン 11日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は11日発表した石油月報で、猛暑や天然ガス価格の高騰で発電における石油の使用が増え需要が拡大していると指摘した。ただこうした状況が景気後退懸念のある国の経済の弱さを覆い隠しているとも述べた。

「天然ガスと電力価格が過去最高水準となり、一部の国にガスから石油への転換を促している」と指摘し、2022年の需要見通しを日量38万バレル引き上げた。

一方、先進国での道路輸送用燃料の使用量減少や年末までの成長鈍化を挙げ「よりネガティブな経済情勢と相まって22年後半にかなりの縮小が予想される」と述べた。

7月の世界石油供給量は、パンデミック前の高水準を上回った。ロシアの予想以上の生産が理由。ロシアの7月の輸出量は日量11万5000バレル減少の同740万バレル。年初から減少量は日量60万バレルにとどまっている。

ロシアの7月の石油輸出収入は20億ドル減少して190億ドルとなった。減少は価格下落が主な要因。IEAは初めて中国が欧州を抜いてロシア産原油の主要輸出先になったと指摘した。