【3分解説】なぜFBIは「トランプ捜査」に踏み切ったのか?
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ワシントンの関係者に話を聞きました。今回の家宅捜索は議会襲撃とは一切関係がなく機密文書の持ち出しの容疑のみだそうです。これだけで2024年の大統領選の出馬に影響する可能性は現段階では低いそうです。今回の捜索令状は、トランプ政権下で任命されたレイ司法長官が許可を出している点です。先日の公聴会でも元側近らが反旗を翻してます。本稿でも指摘されている脱税疑惑など、他のスキャンダルが噴出する可能性があります。
熱狂的なトランプ支持者にとっては、何があってもディープステートによる陰謀論は揺るがないでしょう。彼らの、既存の政治システム、司法に対する不信感は非常に根深いですから、今回の捜査が正当なものであったとしても、政治不信と分断をさらに強めることにしかならないように思います。
もうこの分断の流れを止めることはできず、今後それがどこまで進み、それが米国社会をどのようにしてしまうのか、について考えることが重要ではないかと思います。分断される米国は決して強くありませんから、日本の安全保障にとっても深刻な問題です。なんとなく、やめたばかりの権力者が捜査の対象になる国は民主政治やガバナンスがしっかりしていないという印象を持つ人も多いかもしれません。民主主義のリーダー国、アメリカでこうした事態が起きるのは異例です。トランプにとって「異例」「前代未聞」はいつものことですが…。
家宅捜索を受けたトランプ前大統領は、真っ先に民主党を非難しました。アメリカでもトランプに近い政治家・支持者は一様に「民主党の仕業だ」「バイデンが糸を引いている」といった発言しています。
もちろん、FBIを管轄する司法省はバイデン政権の一部なので、広い意味で無関係ではないでしょう。しかし同時に、現在のFBI長官はトランプ時代に指名された人でもあります。そして強制捜査には裁判所のGOサインが必要ですが、その裁判官も保守派で占められています。こういう事を考えると「選挙を狙ったディープステートの仕業だ」というロジックは厳しい気もします。
さて、ではこの家宅捜索にはどんな意味があるのか。トランプの他の疑惑にまで行く可能性はあるのか。分かりやすいQ&A方式でお届けします。