[5日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは5日、イタリアの格付けについて、政治環境により構造改革の実施が妨げられるリスクが高まっているとして、見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。格付けは「Baa3」に据え置いた。

イタリアでは先月下旬にドラギ首相が辞任。9月25日に総選挙が行われる。

ムーディーズは「ロシアのウクライナ侵攻による経済的影響、および国内の政治的動向を受け、イタリアの信用に対するリスクは増大している」とした。

また、資金調達コストの上昇に言及したほか、エネルギー供給問題が経済見通しを悪化させるリスクが高まっていると指摘。景気低迷により財政状況が圧迫される可能性があるとの見方も示した。

イタリア経済省は声明で、ムーディーズの決定には「疑問の余地がある」とした。

財務省はリポートで「総選挙後に復興計画や、投資再開とエネルギー源確保に向けた政策が速やかに継続されると引き続き確信している」と表明した。