(ブルームバーグ): 米国は中国に対し、半導体製造装置へのアクセス制限を強化していると、同装置の主要サプライヤー2社が明らかにした。中国の経済的野心に歯止めをかける米政府の取り組みが浮き彫りになっている。

米政府は既に、線幅10ナノメートル(nm)以下の半導体が製造可能な装置の大半について、中国最大の半導体メーカーである中芯国際集成電路製造(SMIC)に許可を得ず販売することを禁止している。今回はこの制限の対象を14nm以下の半導体が製造可能な装置に拡大したと、ラム・リサーチのティム・アーチャー最高経営責任者(CEO)がアナリストに明らかにした。今回の制限はSMIC以外にも拡大し、台湾積体電路製造(TSMC)など受託半導体メーカーが中国で稼働する製造施設も含まれる公算が大きい。

アーチャーCEOは7月27日の電話会議で「14nm以下の半導体の製造施設について、中国への技術の出荷制限が拡大することが最近通知された」と指摘。KLAのリック・ウォラスCEOも同月28日、米政府から同様の通知を受けたことを確認した。

米商務省は声明で、中国に対する政策を強化していると説明したが、対象となる半導体の詳細については明らかにしなかった。

米国はオランダや日本に対し、世界の大部分の半導体製造に必要不可欠な主要技術をASMLホールディングやニコンが中国に販売するのを禁止するよう求めていると、ブルームバーグ・ニュースが伝えていた。

米が中国へのASML装置販売禁止求める、日本にも圧力-関係者 

今回の新たな規制はSMICやTSMCなどに加え、アプライド・マテリアルズやASML、東京エレクトロンなど中国市場に販売する半導体装置メーカーにも影響する可能性が高い。 

TSMC、東京エレクトロン、SMICの担当者はコメント要請に直ちに応じていない。ASMLの広報担当者は新たな規制の可能性について通知を受けていないと説明した。ニコンの広報担当者は、同社の対中出荷は影響を受けていないとコメントした。 

原題:

US Quietly Tightens Grip on Exports of Chipmaking Gear to China(抜粋)

©2022 Bloomberg L.P.