[ムンバイ 29日 ロイター] - 1990年代に円売り・円買い双方の為替介入を手掛けたことで「ミスター円」として知られる元財務官の榊原英資氏は29日、日米の経済環境が変化しているため、急激な円安は続かず、日銀が為替市場に介入する必要はないと述べた。

ロイター・グローバル・マーケット・フォーラムで「(円は対ドルで)140円に達するかもしれないし、140円すら超えるかもしれないが、150円や160円など一段と大幅に進むことはないだろう」と指摘。円安は主に日米間の金融政策の違いによって引き起こされたが、「今は状況が変わりつつある」とした。

また、世界経済の後退圧力が高まっているため、日銀は今後数年間は緩和政策継続を余儀なくされるかもしれないと言及。ただ、それが日銀にとって「機会を逸する」ことにはならないとの見方を示した。