2022/7/22

【直言】進化史に学ぶ「人新世」の危機を生き延びるヒント

NewsPicks編集部
まるで預言者(プロフェット)のように、新しい時代のムーブメント、思考法をいち早く紹介する連載「The Prophet」。今回登場するのは、ロンドンを拠点に活躍するサイエンスライターのガイア・ヴィンス氏だ。
ヴィンス氏の新刊『進化を超える進化』(野中香方子訳/文藝春秋)は、ジャレド・ダイアモンドの『鉄・病原菌・鉄』や、ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』などの系譜に連なる、新しいビッグ・ヒストリーとして話題の一冊だ。
その中でヴィンス氏は、自然科学と人文科学を縦横無尽に交差させ、人類の進化の歴史に新たな光を当てている。
前編では、「チンパンジーと人類の進化の違いを決定づけたものは何か?」という問いを起点に、人類がいかにして「与えられた身体」の限界を突破し、自らの運命を切り開いてきたのかを、「火」「言語」「美」「時間」という4つのキーワードをもとにひもといた。
この4つをテコにしながら、自らの遺伝子と環境と文化を「共進化」させることで、人類は「進化を超える進化」を遂げてきた──というのがヴィンス氏の主張だ。
そしていまなお、私たちは進化の途上にある。一方で、その進化は地球に対する深刻な脅威になりつつある。この先の未来に、はたして希望はあるのだろうか? ヴィンス氏の見解を聞いた。
INDEX
  • SNSが「美」をグローバル化した
  • 超生命体「ホムニ」とは何か
  • 「認知の限界」がもたらす危機
  • アウトソーシングが人類を救う
  • SFが教えてくれる「生存のヒント」