【宮田昇始】スマートHR創業者の「ストックオプション」講義
- ここが変だよ「日本のSO制度」
- 給与の下落分を補填
- 持ったまま「辞められない」
- 行使のために会社に居残る
- 人事評価にも活用できる「信託型」
- 一番お金がない時に払い込む
- 夢の仕組み、案外理解されず
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ストックオプション制度は米国においては(1)既存中核従業員へのインセンティブ、(2)将来の重要役職員の採用のためのインセンティブ、(3)(給与ベースでは長期的な雇用が難しい)スペシャリストの期間限定、特定目的の採用のためのインセンティブという3つの目的に使われます。日本の制度では原則(1)のみしか対象として考慮されておらず、しかも基本的にはボーナス的な給与の一部としてしか考えられていないというのが問題の根源かと思います。
制度設計者の方がそもそものストックオプションの趣旨を理解し、その行使を妨げる会社法を含めた日本の法制度を変更すべきで、日本版の歪んだ独自制度で経営陣に負担をさせて帳尻を見た目で合わせようとするのは本末転倒かと。
余談ですが、なぜか税制やオプションの議論になるとセカンダリー取引が議題に出てくるのですが、順調に成長している会社はラウンドの際に既存投資家が従業員の持分売却分は吸収しますし、うまくいっていない会社を情報が不足している外部の人間に売却するのはモラルハザードの問題を引き起こしかねません。そもそも、経営陣のコントロール無しに、既存の投資家以外に売却されるような仕組みはIPOだけでなくM&Aにおいても投資家管理の大きな妨げになります。個人的には、既存の株主が買い取るインセンティブのない順調にいっていない会社の場合は、変な形で売却利益を事情の分からない第三者に売却して利益を途中で得ることを認める必要なないのではないと思います。
以心伝心すぎる記事を先日投稿している事実
『スタートアップとストックオプションにまつわるあれこれ』
https://newspicks.com/topics/Startup_Finance_Murakami/posts/22?utm_campaign=np_urlshare&utm_source=newspicks&invoker=np_urlshare_uid2108147&utm_medium=urlshare
信託型ストックオプションは、米国のオプションプールを力技で真似た変なSOです。米国ではラウンド時に行使価格を決め、割り当ては後でやるオプションプールが普通に使われています。オプションプールは人事戦略と表裏一体で、どんな役割の人が何人足りないか、その人にはどれだけSOを付与すべきか、計画的に設計されます。適切なオプションプールの設定がVCの投資契約に盛り込まれていたりします。『スタートアップ投資のセオリー』の編集を手掛けた際、著者の中村幸一郎氏に教えてもらい、なるほどと思いました。
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