2022/7/15

【麻野耕司】あのキーエンスも。営業力を強化する「7つの原則」

Knowledge Work 代表取締役CEO
まるで預言者(プロフェット)のように、新しい時代の思考法やムーブメントをいち早く紹介する連載「The Prophet」。今回登場するのは、セールス・イネーブルメント領域で注目を集める、ナレッジワークCEOの麻野耕司氏だ。
前編では、“売れる営業”のノウハウを凝縮した新刊『NEW SALES』(ダイヤモンド社)の読みどころを紹介した。
営業生産性の高い組織には、セールス・イネーブルメントと呼ばれる、成果を出し続けるための仕組みが存在する。これを前提とし、個人が発揮できるクリエイティビティをより高度化していくことが、セールスパーソンの生き残る道だと麻野氏は言う。
この後編では、本書の拡張編として、高い成果を生み出す営業の行動様式=NEW SALESを身に付けた先にある、ビジネスの変化に迫りたい。
麻野氏が描く、営業職を基点とする「生産性に優れた組織」の構造とは、いったいどのようなものなのだろうか?
INDEX
  • 人間ができてAIにできないこと
  • 企業の未来は営業がつくる
  • 「できる喜び」に満ちた日々に

人間ができてAIにできないこと

──前編では、「OLD SALES」から「NEW SALES」への転換についてお話しいただきました。今後はセールス・イネーブルメントを強化したうえで、営業の“自由演技”が重要になるということでしたが、どのような点に力を入れていけばいいのでしょうか。
麻野 やはり、感情の部分だと思います。
本書の中で「NEW SALES」を実現する“7つのS”について解説しているのですが、その中でも扱いが困難なのが「Sympathy」、つまり相手の感情を読み取る営業術です。
『NEW SALES』内の内容を基に編集部作成
本書のベースになっている営業担当者向けの勉強会では、もともと「Sympathy」を除いた“6つのS”について解説していました。
ただ、参加者の方から「営業の成果は、最後は感情によって左右されることがありますよね。書籍でそこに触れなくていいのですか?」と問われたんです。
僕もその点は理解していたのですが、相手のキャラクターに合わせて、自分のスタイルを変幻自在に変えるのは、簡単なことではありません。ましてや、それを解説するのは至難の業です。
しかし、セールス・イネーブルメントの価値を最大化するには、やはりここをスルーすることはできません。気合いを入れて、「Sympathy」のパートを書き足しました。