[27日 ロイター] - 米スポーツ用品大手ナイキが27日発表した第4・四半期(5月31日まで)決算は、売上高が市場予想を上回った。ただ、第1・四半期については値引きの拡大や中国の新型コロナウイルス感染拡大に絡む混乱を見込み、売上高見通しが市場予想を下回った。

引け後の時間外取引で株価は3%下落した。

中国では複数の主要都市でコロナ関連規制が解除されているものの消費者が支出を減らし、国内ブランドを好む傾向も根強い中、アナリストらは今年の中国部門の業績見通しについてまちまちの見方を示している。

マシュー・フレンド最高財務責任者(CFO)は「新型コロナによる一段の混乱を巡る不透明感を踏まえ、グレーターチャイナ(中華圏)について慎重な姿勢を取っている」と述べた。

第1・四半期の売上高は横ばいから微増の見通しとした。リフィニティブがまとめた市場予想は5.1%増。

モーニングスターのアナリスト、デービッド・シュワルツ氏は「(見通しは)やや期待外れだった」と語った。

ナイキは輸送費や商品コストの上昇に加え、サプライチェーン(供給網)の混乱で入荷が遅れた季節商品の販売で値引きを拡大する中、今年度は粗利益率が圧迫されるとの見通しを示した。

今年度の売上高(為替の影響を除く)は2桁台前半の伸び率になる見通しとした。

第4・四半期の売上高は122億3000万ドル。リフィニティブがまとめた予想の120億6000万ドルを上回った。

地域別では欧州・中東・アフリカが9%増の32億5000万ドルだったのに対し、グレーターチャイナは厳しいロックダウンが響いて19%減となった。

純利益は14億4000万ドル(1株当たり0.90ドル)と、前年同期の15億1000万ドル(同0.93ドル)から減少。

ロシアからの撤退決定や南米の一部の国での事業モデル転換に関連して約1億50000万ドルの費用を計上した。

5月末時点の在庫は23%増の84億ドル。サプライチェーンの混乱で輸送中の状態にある商品が増えているとした。

180億ドルのクラスB株の新たな買い戻しも発表した。