G7、ロシア産石油に価格上限案 制裁の実効性確保へ
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価格上限論は少し前から議論されていたが、何かの商品を買う側が値段の上限を一方的に決めるなどと言う商取引があり得るのだろうか。
輸入の削減を行っても、価格の上昇のためにロシアの石油収入が減るところが増えてしまっているという現実を受け、他に制裁の手段を失った西側諸国の外交当局がエネルギー政策に無理難題を押し付けているだけ、と言う気もする。価格が上がるなら下げればいいだろうと言う短絡的な発想。
米ソ冷戦期は、サウジアラビアがアメリカに協力して、石油生産量を意図的に増やし原油価格を低く抑え、ソ連の石油収入を抑制し石油産業を崩壊させたと言うことがあった。しかし、現在ではアメリカとサウジアラビアの関係は冷めてしまっている。
上限を設けるというが、逆にその価格を下回れば取引をしても良いと言うことになる。そのような取引はすでに広く行われていて、ロシア産原油の1つウラル原油は、ブレント価格よりおよそ40%割引されてインドなど取引されている。そうした安いロシア原油を使って精製されたガソリンやディーゼルはアメリカやヨーロッパ、アフリカなどに流通していると言われている。
というか、EUはすでに年内にロシア産石油90%輸入停止宣言しているので、EUを含むG7の中でロシア産石油の輸入停止を宣言していないのは日本だけ。このような宣言に果たしてどんな意味があるのだろうか。
(歩きながらの音声入力のため誤字が沢山ありましたが修正しました)現段階で原油の大きな生産余力を持つのはこれまた米国等の制裁を受けるイランを除くとサウジアラビア、UEAくらいです。そしてまた、高価格を維持しても、脱炭素を進めてしまった米国のシェールオイルにOPECがシェアを奪われる虞も少なそう。
OPECをロシアも含むOPECプラスに改組して競争を避け、脱炭素が進む前に稼ぎたいだろうサウジアラビアが、自国を非難し続けたバイデン大統領の米国にロシアを捨ててどこまで協力的になるものなのか。かつては防衛を米国に頼って内乱の芽を摘みつつ成長できたのに、シェールオイルで原油の純輸出国になった途端に米国が冷たくなって、武器をロシアから買うなどして自衛することにもなっていますしね。
こうしたことに詳しいわけではないですが、中国、インドを含む多くの国々がロシア制裁に反対もしくは中立の立場をとる中、西側諸国の思惑だけで価格を統制するのはかなり難しそうに感じます。「合意価格以下で販売される場合に限り、輸送を認めるような仕組みを議論」とのことですが、武力を行使して輸送を止めるわけでもないでしょう・・・
経済制裁が喧伝したほど効かず返り血が大きくなって、無理筋の制裁策を打ち出さざるを得なくなっているのでなければ良いですが、日本にとっても他人事でないので心配です (・・;これは価格上限を越えた石油を買わないということだが、ロシアがG7以外の国に売ってしまえば、結果としてロシアに痛みは少ない。逆にG7がロシアから買わないということで需要を満たす量が調達できなくなるリスクがある。