[ロンドン 21日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)は、暗号資産(仮想通貨)市場の最近の混乱について、以前から警告されていた分散型デジタルマネーの危険性が現実になっていることを示す動きだと指摘した。

BISのカルステンス総支配人はステーブルコインの「テラUSD」や「ルナ」の価格崩壊、ビットコインの70%値下がりについて、構造的問題を示す現象だとロイターに述べた。

税金を財源とする準備金を活用できる、政府を後ろ盾とした権限がなければ、いかなる形のマネーも最終的に信頼性に欠けるとした上で「これまでに指摘されてきた弱点が、ほぼ全て現実のものになった」と語った。

不良債権問題が世界的な金融危機に発展した際のような金融システム全体の危機は予想していないものの、損失は大規模になるとし、仮想通貨業界の透明性の低さが不確実性を高めるとの見方を示した。