(ブルームバーグ): ビットコインは18日、一時1万8000ドルを割り込み、2020年12月以来の安値を更新した。世界的な金融引き締めを背景に、暗号資産(仮想通貨)業界内の緊張の高まりを示す兆候が増えている。

時価総額で最大の仮想通貨であるビットコインは一時15%下げ、1万7599ドル台を付けた。ブルームバーグのデータによれば、12日連続の下げは過去最長。イーサは一時約19%下げて881ドルに達した。これは21年1月以来の安値。両通貨とも、昨年11月上旬に付けた過去最高値から70%余りの値下がり。日本時間19日朝の取引ではビットコイン、イーサとも値を戻しつつある。

ジェネシス・グローバル・トレーディングの市場インサイツ責任者ノエル・アチソン氏は「目にしているのは清算が増えて価格を押し下げセンチメントを悪化させる流れで、これが一段の清算とマイナスのセンチメントを引き起こしている」と述べた上で、「どこかの時点でこの勢いはそがれるだろう」と付け加えた。

コイングラスのデータによると、過去24時間の仮想通貨市場での清算の規模は4億3550万ドル(約588億円)に達し、ビットコインとイーサではそれぞれ2億200万ドル、1億4450万ドル前後だった。

ビットコインは17年の前回の強気サイクルで1万9511ドルを付けていたが、今回の下げ局面でこの水準を割り込んだ。取引が始まって12年前後の歴史を持つビットコインだが、前回のサイクルの高値を下回ったのは今回が初めて。

仮想通貨市場で激動の1週間、トレーダーは次の危機を警戒

 

原題:Bitcoin’s Cascading Losses Accelerate in Record-Breaking Rout、Bitcoin Rises Above $18,000 Level Before Falling、Ethereum Breaches $1,000 Level, Rises 12%(抜粋)

 

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