[香港 9日 ロイター] - 中国の中央指導部が、電子商取引大手アリババ・グループ傘下のフィンテック企業、アント・グループの新規株式公開(IPO)再開を暫定的に承認したと、複数の関係筋が明らかにした。当局がテクノロジー業界への締め付けを弱めていることを示すこれまでで最も明確な兆候となる。

アントは早ければ来月にも、上海と香港でのIPOに向けた暫定目論見書を提出することを目指しているという。

具体的な提出時期については中国証券監督管理委員会(CSRC、証監会)からのガイダンスを待つ必要があるそうだ。

アントは9日、IPOを再開する計画はないと発表した。詳細は明らかにしていない。当局からIPOの許可を得たかどうかに関するロイターのコメント要請には応じなかった。

同社のIPOは、2020年11月に当局が棚上げにした。当時、企業評価額は約3150億ドルに上るとされ、目標調達額は約370億ドルと世界最大のIPOになる見通しだった。

関係筋によると、米プライベートエクイティ企業、ウォーバーグ・ピンカスは3月末時点のアントの評価額を約1800億ドルと1年前の2210億ドルから引き下げた。