2022/6/12

「欠点アリの被害者」に寄り添わないと#MeTooは死ぬ

6月1日、全米を揺るがした裁判の判決がくだされた。

米俳優ジョニー・デップが、元妻の女優アンバー・ハードに対し、彼女がデップからDVを受けたとの主張は名誉毀損に当たると訴えた裁判で、米バージニア州の裁判所の陪審がデップの訴えを認める評決を下した

SNS上でも連日盛り上がり、デップへの支持から、ハードを非難するネット世論も繰り広げられたこの裁判を、#MeTooの終焉と見る向きもある。この裁判から性暴力の問題はどこへむかうのか──、特集の最終回では、英Guardian紙のコラムを紹介する

①重要人物の「キャンセル」

#MeToo運動に対する反動は、いつ起きてもおかしくなかった。
それがわかるのは、これまでもフェミニストが一歩前に進むたびに反動がつきまとったからだ。そして反動はいつも大きなものになった。