[ロンドン 8日 ロイター] - 国際金融協会(IIF)は8日公表したリポートで、ロシアは今年が15%、来年も3%のマイナス成長になるとの予想を示した。欧米による経済制裁と企業の撤退、優秀なロシア人の「頭脳流出」、輸出激減によって15年にわたる経済の拡大が消し飛ぶとみられている。

IIFは、ウクライナの戦争がなお続き、今後制裁は強化されると想定。副チーフエコノミストのエリナ・リバコワ氏は、欧州がロシアからのエネルギー輸入を著しく減らしていけば、経済は中期的に一段と厳しい状況になるだろうと述べた。

足元では原油と天然ガスの価格が高騰しているおかげで、ロシアの経常黒字はここ数カ月間過去最高水準を記録している。

しかしリバコワ氏は、経常黒字の大きさや通貨ルーブルの反発でロシア経済が思ったより底堅く推移していると考えるべきでないと指摘し、輸入が大きく減ったためにロシアの銀行には外貨がたっぷりあるが、ロシアの企業や消費者は支出する対象がなくなっていると説明した。

IIFはロシアの固定資本形成と輸入、輸出が今年それぞれ25%、28%、25%縮小すると見込んでいる。