[ロンドン 24日 ロイター] - S&Pグローバルが24日発表した5月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.9で、4月の55.8から低下し、ロイターがまとめた市場予想の55.3を下回った。物価高で消費者の購買力が低下するとともに、製造業は引き続き原材料不足の影響を受けた。

S&Pグローバルは「ユーロ圏は5月も底堅い成長を維持した。これはサービス業が活況で製造業の不振をカバーしたためだ」と説明した。

サービスPMIは57.7から56.3に低下し、市場予想の57.5を大幅に下回った。物価高騰が需要を冷やし、新規事業指数は56.6から55.2に低下した。ただ、雇用は前月以上に拡大した。

製造業PMIは55.5から54.4に低下し2020年11月以来の低水準。市場予想の54.9も下回った。ただ生産指数は50.7から51.2に上昇した。

供給網の混乱で投入価格、産出価格は高止まりしている。産出価格指数は76.0で、前月の過去最高(77.3)から若干の低下にとどまった。製造業者は生産コスト上昇を販売価格に転嫁している。

今年の見通しを示す将来の生産指数は60.5から59.6に低下し20年7月以来の低水準となった。

S&Pグローバルは、物価高を踏まえ、サービス業の回復がいつまで続くか不透明と指摘した。製造業の不振がサービス業の一部に波及する兆しが出ているとした。

キャピタル・エコノミクスのジェシカ・ハインズ氏は「5月のユーロ圏総合PMIは小幅に低下した。経済活動はわれわれが懸念していたより底堅く推移している。だが、サービス業の回復ペースは高インフレで失速する公算が大きく、新規受注の減少は業界の先行きに影を落としている」と述べた。

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