[東京 20日 ロイター] - 岸田文雄首相(自民党総裁)直轄で財政政策を議論する同党の「財政健全化推進本部」(最高顧問、麻生太郎副総裁)は20日、政府が6月に閣議決定する経済財政運営の基本指針「骨太の方針」を念頭に、歳出改革などに関する提言案を議論した。

国と地方の基礎的財政収支(PB)を2025年度に黒字化する現状の財政健全化目標の取り扱いについて、「財政健全化の『旗』を下ろさず、これまでの健全化目標に取り組む」と強調。同時に「内外の経済情勢などを常に注視しつつ、状況に応じ必要な検証を行っていく」と明記し、リーマンショックや新型コロナのような経済ショックが発生した際には躊躇なく財政出動する姿勢を明記した。

自民党内では、財政政策をめぐり高市早苗政調会長の下に「財政政策検討本部」も存在し、安倍晋三元首相が最高顧問を務めている。大規模な財政出動を重視する議員が多く、PB黒字化の2025年度達成について、年限を区切った目標設定の妥当性を検証するよう提言でまとめている。

財政政策本部側では当初、PB黒字化の達成年度の撤廃を求める議員もいた。しかし、今年夏の参院選を控え党内対立が目立つのは得策でないとの判断から、財政健全化本部、財政政策本部、双方が提言の表現で歩み寄りを見せつつある。