2022/5/20

【注目】SNSを席巻する「毎日がロマンチック」ブームとは

INDEX
  • 平凡な日常を「特別」に演出
  • 「物欲」を押し付けない
  • 日常に「マインドフルネス」を
  • 人生の「主人公」は自分

平凡な日常を「特別」に演出

YouTubeの動画で、女性が朝日を浴びながら、焼きたてのクロワッサンを味わい、ピンクのバラの柄の羽毛布団にレモンの香りの香水を振りかける。
『赤毛のアン』、ジェーン・オースティンの小説、あるいは19世紀のロンドン社交界を舞台にしたドラマ『ブリジャートン家』を思わせるコテージ風の心地よさげな空間。ユタ州出身の映像作家が「小さなことに感謝して幸せを感じる方法」を紹介しているのだ。
TikTokでは人々が毎日の朝食に趣を加え、花束を買い、感謝の気持ちを実践している。レイチェル・ヘス(21)がユーカリの葉をシャワーのハンドルに吊るす動画は680万回以上再生されている。キャプションには「Romanticize yourrrr lifeeeeeee(日常をロマンチックに)」とある。
「ありふれた毎日も特別に感じたいのです。人生の大部分を占めるのは、休暇でも、たまにある特別なイベントでもなく、当たり前の日常だから」と、ペンシルベニア在住の大学生のヘスは言う。
この2年、ソーシャルメディアで「Romanticize your life(日常をロマンチックに)」というフレーズが目立つようになり、パンデミックが最も厳しかった時期に人気が高まった。
目の前にあるものに感謝して、どんなに平凡な日常も意図を持って生きよう。美しい瞬間を探し、ミニマリズムを受け入れよう、と。
このハッシュタグをつけたTikTokの投稿は若い女性が圧倒的に多く、5億2500万回以上再生されている。Instagramでも水辺の夕焼け、美しく盛りつけられたディナー、おいしそうな紅茶など、2万8000件以上の投稿がある。