[16日 ロイター] - ロシアの通貨ルーブルが16日の取引で上昇し、1ドル=64ルーブルの節目を超えて一時62.71ルーブルを付けた。対ユーロでは約5年ぶりの高値圏にある。資本規制が引き続きルーブルを支えている。

対ドル相場の年初来上昇率で世界の通貨の首位となっている。ただ、ウクライナ侵攻開始後に金融セクターを保護するために導入した資本規制という人為的要因が影響している。

ロシアのアルファバンクのアナリストは、国内の外国為替市場の状態は過去数週間変わっておらず、外貨の供給が需要を上回る中でルーブルの上昇が続いていると述べた。

中銀が16日公表したデータによると、ロシアの経常黒字は1月から4月までの間に3倍超に増え、958億ドルになった。

ロシアのロスバンクのアナリストはリポートで「現行の資本規制がルーブルを新型コロナウイルス流行前の水準に戻した」と指摘。ただ、年末までに1ドル=90ルーブルに下落すると予想した。

対ユーロでは16日に1.6%値上がりし、1ユーロ=66.05ルーブルとなった。先週末に付けた2017年6月以来となる64.9425ルーブルに近い水準を維持している。