[ワシントン 16日 ロイター] - ニューヨーク連銀が16日に発表した5月のニューヨーク州製造業業況指数はマイナス11.6と、前月のプラス24.6から急低下した。新規受注と出荷の悪化が重しになったが、向こう6カ月の業況についてはやや明るい見通しが示された。

今回の指数の情報収集期間は5月2─9日。市場予想はプラス17.00だった。エコノミストは、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めで製造業に影響が出始めているとの見方を示している。

JPモルガンのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「このところの経済指標は極めて不安定で、明確なトレンドを読み取るのが難しくなっている」としながらも、「ドル高が製造業の重しになっている兆候が出ている可能性がある」と述べた。

新規受注指数はマイナス8.8と、前月のプラス25.1から低下。出荷指数と受注残指数も大きく低下した。

支払い価格指数はプラス73.7と、前月のプラス86.4から低下したものの、高止まり。雇用指数はプラス14.0と、前月のプラス7.3から上昇した。

将来についてはやや楽観的な見方が示され、6カ月先の業況指数はプラス18.0と、前月のプラス15.2から改善。ただそれでも長期平均の半分以下の水準にある。

設備投資指数は6.4ポイント低下のプラス25.4。エコノミストは、景気後退(リセッション)リスクが台頭し、借り入れコストが上昇する中、将来的な動向を示すこうした指数は軟調な状態が続くとの見方を示している。