【串田和美】劇場で描く“夢みたい”なもの、演劇に見た“夢みたい”なこと
コメント
選択しているユーザー
串田和美が、2022年5月から独り芝居「月夜のファウスト」の全国公演を開始する。串田は、舞台芸術における第一線の活躍を続けてきた俳優であり演出家。華々しい受賞歴を持ち、演劇界の重鎮とも言える存在だ。現在は、まつもと市民芸術館総監督で、その前は東急Bunkamuraシアターコクーン初代芸術監督を勤めた。しかし、さらにキャリアを遡ると、串田は六本木通りの硝子屋の地下に作った、小さな劇場にいた。そこを拠点に活動したのが、オンシアター自由劇場。串田が率いて吉田日出子が唄い、1979年初演の舞台『上海バンスキング』を大ヒットさせた劇団だ。
「いい夢を見させてもらいました」
「戦争の方が夢だったら良かったのにね」
「戦争も夢みたいなものです」
(オンシアター自由劇場『上海バンスキング』脚本:齋藤憐)
初演から40余年、最後の再演から12年。世界の平和が揺らぐ今、この台詞を糸口に、あらためて『上海バンスキング』を振り返る。かつてオンシアター自由劇場だった空間で、串田に話を聞いた。