(ブルームバーグ): ステーブルコイン「GYEN」の取引で多額の損失を被ったとする複数の投資家が、米最大の暗号資産(仮想通貨)交換業者コインベース・グローバルなどを相手取り損害賠償を求める訴訟を起こした。集団訴訟の認定を求めている。

カリフォルニア州北部地区の米連邦地裁に12日提出された訴状によると、訴えられたのはコインベースと、GMOインターネットの連結会社で米法人のGMO-Z.com Trust。両社がGYENの安定性について投資家を欺き、数百万ドルの損失を投資家に負わせたと主張している。

GYENは、GMO-Z.com Trustが発行するステーブルコインで、円と連動するとされていた。しかし原告によると、コインベースがGYENの取引を開始した2021年11月、すぐに円とのペッグが崩壊し、説明と「程遠い」結果となった。

「投資家は宣伝通りGYENが円と等価と信じて注文を出したが、購入していたトークンの価値は円の最大7倍に達した」とし、「それと同じように急激にGYENの価値は下がってペッグに戻り、1日で80%下落した」という。

価値急落でコインベースは取引を凍結し、多くの顧客が「売却能力を制限されて損失が膨らんだ」。結果的に購入者側は「数時間のうちに全体で多額の損失を被った」としている。

コインベースとGMO-Z.com Trustに12日夜にコメントを求めたが返答はなかった。

原題:

Coinbase Customers Sue Over Stablecoin That Was ‘Anything But’(抜粋)

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