「日銀は子会社」 安倍元首相発言が波紋 政府が慌てる理由
コメント
注目のコメント
政府が国債を発行して中央銀行が直接引き受けて資金を供給する財政ファイナンスは、過去に何度もインフレを引き起こして国民が手痛い目にあって、先進諸国にとって禁じ手です。だから各国は、カネを使いたがる政府から中央銀行を独立させて、カネの管理を任せることにしたのです。
とはいえ一旦市中で発行した国債の借り換えは、民間が節約して貯蓄したものを自主的に政府に貸したという実績がありますからいいだろうということで、日本では随分前から日銀による直接引き受けが行われています。これも一種の財政ファイナンスではありますが、最初のところで国民の貯蓄を背景にしていますから、まだしも理屈は立つのです。
世間には政府と日銀を一緒にした統合政府を見れば国債は消えるという説がありますが、表面上国債が消えるにしても、モノとサービスの価値の裏付けのないカネを統合政府が無制限に世の中に流す財政ファイナンスの性格は変わりません。影響力の強い一国の元首相がこうした説を本気で信じているとしたら、それでなくとも怪しい日本の財政と円への信認が地に落ちかねません。「政府・与党は否定に追われた」というのは尤もです。こうした意識で財政を運営していれば、そりゃ円は安くなりますね・・・ 記事の後半は読めていませんが、この話、政府が自らお金を発行して無制限にモノとサービスを費消する政府紙幣を容認する”トンデモ論”に繋がりかねない危うさを感じます。(・・;円安や日米の金融政策の差が出るタイミングでの発言。
TBS後藤政治部長の解説です。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/43288
「日銀の黒田総裁は既に4月の国会答弁で「日銀は政府の子会社ではない」と明確に否定しています。日銀のHPには「認可法人」と書いてあり、株式を発行しています。出資比率を見ると確かに政府は全体の55%を出資しています。一般の会社でいえば“大株主”であることは確かなのですが、ほかの会社と違うのは株主総会が開かれませんし、出資者=株主は普通の会社組織にあるような議決権の行使も認められていません。そうしたことから言っても普通の民間企業の子会社に当たりません。つまり、安倍さんの今回の発言は妥当ではないということが言えると思います。」