[ミラノ 5日 ロイター] - 欧米自動車大手ステランティスが5日発表した第1・四半期(1─3月期)決算は売上高が12%となり、市場予想を上回った。強気の価格戦略と車種構成が半導体不足の影響を相殺した。

株価は取引開始直後に一時5%上昇した。

第1・四半期の純売上高(プロフォルマベース)は415億ユーロ(441億ドル)だった。前年同期は370億ユーロ、ロイターがまとめたアナリスト予想は369億ユーロだった。

ただ出荷台数は12%減の137万4000台となった。半導体不足の影響が表れた。

リチャード・パーマー最高財務責任者(CFO)は、2桁の利益率とプラスのキャッシュフローを維持することが重要だとの認識を示した上で「出荷台数が12%減となったにも関わらず12%増収となったことは、価格と車種の面で非常に良好なパフォーマンスを示している。利益率にとって好材料だ」と述べた。

四半期末時点の新車の総在庫はほぼ横ばいだった。

Equitaのアナリストは「販売店の在庫は依然として低く、(ステランティスは)良好な価格戦略を維持できている」と述べた。

パーマーCFOは半導体の供給について、今年から徐々に改善され、2023年も改善は続くとの見通しを示した。ただ、その時期は見通せないという。

同社は今年の業界全体の見通しを切り下げ、北米市場は横ばい、拡大欧州市場は2%縮小とした。

パーマーCFOによると、同社はロシアには大きなエクスポージャーはなく、東欧に供給拠点も持っていないため、ウクライナ情勢の影響は大きくなかった。