[3日 ロイター] - 米製薬大手ファイザーは、新型コロナウイルス関連製品の2022年通期の売上高見通しを据え置いた。新型コロナワクチン投入以降初の据え置きで、過去数四半期の急速な成長が鈍化している可能性を示唆した。

新型コロナ経口治療薬「パクスロビド」の22年通期の売上高見通しは220億ドル。アナリストの平均予想は261億ドル。

ファイザーはこれまでにパクスロビド売上高見通しの220億ドルは、22年に生産可能な治療1億2000万回分の一部と説明していた。見通しが上方修正されなかったことは、22年第1・四半期にパクスロビドの目立った新規販売契約がなかった可能性を示唆している。

アルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は投資家向け電話会見で用意した声明で、米国でパクスロビドの使用が最近大幅に増えているとし、感染が最近拡大したいくつかの国からはより多くの供給を求められていると言及した。

独バイオテクノロジー企業ビオンテック< BNTX.O>と共同開発した新型コロナワクチンについては、22年通期の売上高を320億ドルとする見通しを維持。21年には四半期ごとにワクチン売上高見通しを引き上げていた。

インフォーマ・ファーマ・インテリジェンスのアナリスト、ミリー・グレイ氏は「(ワクチンの)売上高は、世界で完全にワクチン接種する人の割合が増えるにつれて徐々に減速すると予想される」との見方を示した。

米証券取引委員会の要請を受け、製薬会社数社はマイルストーン収入や買収に絡む経費を考慮し、業績見通しを修正している。

ファイザーは22年通期の調整後利益見通しを1株当たり6.25─6.45ドルとし、従来の6.35─6.55ドルから下方修正。ここれら経費の影響という。

ファイザーの株価は午前の取引で、約2.7%高で推移した。