[ワシントン 28日 ロイター] - 米商務省が28日発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比1.4%減と、予想外に縮小した。貿易赤字の拡大や在庫の伸び鈍化が成長にブレーキをかけたものの、個人消費は伸びが前四半期から加速し堅調だった。

マイナス成長はコロナ禍を背景に大幅な落ち込みとなった約2年前以来。ロイターのまとめたアナリスト予想は1.1%増だった。

サプライチェーンの問題や労働者不足、インフレ高進も打撃となり、2021年第4・四半期の6.9%増から大幅に悪化した。

前年同期比では3.6%増だった。

BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サール・グアティエリ氏は「米経済はなお一定の底堅さを示しているが、金利上昇を背景に、今年と来年にかけてより緩やかなペースでの成長が始まるシグナルが発せられた」と指摘。「マイナス成長となったものの、米連邦準備理事会(FRB)はインフレ対応に向け、5月に積極的な利上げを実施する以外ほぼ選択肢はない」と述べた。

ロシアのウクライナ侵攻を背景に輸入が急増する一方、輸出が減少。貿易赤字が膨らんだことで、GDPの伸びは3.2%ポイント押し下げられた。

企業在庫の伸び鈍化も、成長率を0.84%ポイント押し下げた。

一方、米経済活動の3分の2以上を占める個人消費は2.7%増と、前四半期の2.5%増から伸びが加速。食品・ガソリン価格の高騰にもかかわらず、消費が衰えている兆候は見られない。