[東京 25日 ロイター] - 日銀が25日に公表した3月の企業向けサービス価格指数は前年比1.3%上昇し、13カ月連続の上昇となった。2021年5月以来の伸び率。国際運輸価格の値上がりが主な要因となり、プラス幅は前月(1.1%上昇)から拡大した。

最も押し上げに寄与した「運輸・郵便」では「外航貨物輸送」が前年比43.9%上昇した。燃料油価格の上昇に加え、ロシアのウクライナ侵攻を受けて欧州が石炭や穀物などを代替調達先から確保するために長距離輸送需要が拡大したことも影響した。

「国際航空貨物輸送」は同40.7%上昇。ウクライナ情勢による減便で供給量が減少したことや、迂回(うかい)ルート使用に伴って燃料使用量が増えたことなどが影響した。

「諸サービス」もプラス寄与。このうち「宿泊サービス」は前年比12.8%上昇。新型コロナウイルス感染症対策の「まん延防止等重点措置」の解除などでレジャー需要が回復傾向となった。このほか「不動産」、「リース・レンタル」、「広告」、「金融・保険」なども押し上げ要因となった。

公表している146品目のうち、前年比で上昇したのは86品目、下落したのは25品目だった。

日銀の担当者は今後の動向について「燃料油価格などは4月入り後に上昇一服の動きがみられるが、ウクライナ情勢や中国における新型コロナの状況も不透明感も強い」と指摘。国内のコロナ感染状況にも注視が必要だと語った。

前月比では0.9%上昇。2021年度の企業向けサービス価格指数は前年度比1.2%上昇だった。

(杉山健太郎)