[ワシントン 22日 ロイター] - 米S&Pグローバルが22日に発表した4月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は55.1と、前月の57.7から低下した。原材料と燃料の価格、人件費の高騰によって投入コストが過去最高を記録したのが足を引っ張った。また、幅広いサービス部門の活動が軟化したのを反映した。

今回の調査結果は、2022年第2・四半期に入って景況感が悪化していることも示した。

指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。50を超えると民間部門の成長を示す。

S&Pグローバルのチーフ事業エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「多くの企業は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による需要の積み上げという追い風を引き続き受けている。同時に、物価上昇率の上昇と生活費の圧迫、根強いサプライチェーン(供給網)の遅延、労働力の制約という課題にも直面している」と指摘した。

今回の調査結果は、企業のモノとサービスの生産コストの指標が過去最高となった中で、コスト上昇を消費者に転嫁していることも示した。

投入コストと生産コストが過去最高になったことは、インフレが不快な水準に高止まりする可能性があり、これは米連邦準備理事会(FRB)よる積極的な金融引き締めを正当化することを示唆している。

FRBは3年超ぶりに政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げた。エコノミストらはFRBが5月に50bp利上げし、保有資産縮小を近く始めると予想している。3月の消費者物価指数は前年同月比の上昇率が40年超ぶりの大きさとなり、FRBが目標とする2%を大きく超えている。

4月の総合投入コスト指数は80.5となり、前月の77.1から上昇した。サービスと製造業の投入コストがともに大きく上がった。

サービス業PMIは54.7となり、前月の58.0から下がった。4月のエコノミスト予想は横ばいだった。

製造業PMIは59.7と、7カ月ぶりの高水準となった。前月は58.8だった。4月のエコノミスト予想は58.2だった。

製造業の新規雇用者数は2021年7月以来の高水準となり、多くの企業は「新たな業務に対応するために新規雇用をさらに拡大する必要がある」と指摘した。