[ロンドン 22日 ロイター] - S&Pグローバルが22日発表した4月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は、サービス業が好調で、予想に反して上昇した。

総合PMIは55.8で前月の54.9から上昇。ロイターの調査では53.9への低下が予想されていた。

サービスPMIは55.6から57.7に上昇し8カ月ぶりの高水準。予想中央値は55.0だった。

製造業PMIは55.3。予想の54.7は上回ったものの前月の56.5から低下し16カ月ぶりの低水準となった。生産指数が53.1から50.4に低下するとともに、新規受注指数は53.7から51.4に低下し新型コロナウイルスのパンデミックが深刻化し始めた時期以来の低水準となった。

一方、サービス業は経済再開の動きに支援された。価格上昇にもかかわらず需要が拡大し新規事業指数は54.2から56.4に上昇した。

キャピタル・エコノミクスのジェシカ・ハインズ氏は「詳細を見ると、けん引役はサービスだ。ウクライナ戦争や中国のロックダウンで深刻化した供給制約で製造業は自動車を中心に生産が減少した」と述べた。

ドイツも同じような状況で、4月のPMI速報値は、製造業が20カ月ぶりの低水準に低下する一方、サービス業は8カ月ぶりの高水準を記録した。

ユーロ圏のインフレ率は欧州中央銀行(ECB)の目標の4倍近くに達しているが、PMIの調査では一段の上昇の可能性を示した。総合PMIの生産価格指数は65.7から68.5に上昇し過去最高を記録した。

S&Pグローバルのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は、消費者物価の上昇加速が続いており、サービス業も経済再開を受けた回復が一服すれば急激に成長が鈍化する可能性があると指摘した。

INGのバート・コリジン氏は「PMIは景気回復の継続を示唆しており、インフレ見通しのリスクは依然上向きだ。ECBが当初の想定より早めに行動するという見方を強めるだろう」と述べた。