(ブルームバーグ): 半導体の受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が14日公表した4-6月(第2四半期)の売上高見通しはアナリスト予想を上回った。スマートフォン用から自動車向けまで半導体需要が引き続き堅調で、1-3月(第1四半期)の純利益は45%増えた。

TSMCは4-6月の売上高を176億-182億米ドル(約2兆2060億-2兆2820億円)と見込んでおり、30%余りの増収率を示唆している。ブルームバーグの集計データによると、アナリスト予想平均は169億米ドルだった。通期の売上高はドルベースで最大20%超の伸びとしていた従来見通しを上回るとの見方を示した。

新型コロナウイルス禍の在宅勤務は終わったとはいえ、欧米の消費者はアップルやサムスン電子などの携帯電話やスマートテレビなどを購入している。一方、半導体不足はまだ和らいでいない。サスケハナ・ファイナンシャル・グループによると、中国のロックダウン(都市封鎖)や日本で発生した地震による影響で、半導体の納品までの時間は3月に再び長期化した。

依然長引く半導体不足、リードタイムは3月に若干長期化

1-3月の純利益は45%増の2027億台湾ドル(約8770億円)と、アナリスト予想平均(1861億台湾ドル)を上回った。これまで公表された月間売上高に基づく1-3月の売上高は36%増の4911億台湾ドルと過去最高だった。

台湾TSMC、1-3月売上高は前年同期比36%増-過去最高を更新

TSMCは今年の設備投資向けに400億-440億米ドルを確保しているとあらためて指摘。ただ、クレディ・スイス・グループのランディ・エイブラムス氏らアナリストは金利上昇や中国のロックダウン、商品値上がりで家電製品の支出が弱まるとして半導体セクターの伸びが下期に鈍化する可能性があると警鐘を鳴らしている。

TSMCの魏哲家最高経営責任者(CEO)は下降局面があったとしても価格は引き下げないと説明。回路線幅3ナノメートルの半導体について、今年下期の生産に向けた「軌道」にあり、2025年には2ナノ半導体の生産を計画しているとも述べた。

原題:TSMC Sales Forecast Tops Estimates on Sustained Gadget Demand、TSMC Sees FY Sales to Exceed Upper End of Mid- to High 20%: CEO、*TSMC WON’T CUT PRICE EVEN IF THERE IS A DOWNTURN: CEO(抜粋)

(情報を追加し更新します)

©2022 Bloomberg L.P.